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カレーと進次郎と山形のドーマ

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前回に続きまして、柳田国男の話ではなく、カレーの話です
 
カレーは明治時代に「イギリス料理」として日本に伝わったそうです。まあ、当時は、大英帝国がインドを支配していましたから、そういう流れになるんでしょうねぇ
カレーとは、インドにあるいろんな香辛料を使って料理をする「料理」の英語名なんだそうです。ラーメン同様に、海外から入ってきたものですが、今や「日本のカレー」といえば、インドのそれとは似ても似つかぬ別ジャンルの料理になってますね、実際
カレーとラーメンは、どちらも海外発祥ながら、日本国内で独自に進化して、逆に「日本発」として海外進出までしてる、いかにも日本的な代物でしょうね。ちょうど……
 
テープレコーダーを発明したのは日本ではないが、ウォークマンを作ったのはSONYだ
 
ってのと似てますかね……??
 
そのウォークマンが好きなアメリカ軍の兵隊たちは、インド料理も好きなようですが、この日本風のカレーも大好きで、青森県三沢市に「カレーハウスCoCo壱番屋」が出来た時は、「これでもう、八戸まで行かなくていいぞーー」って喜んだのだとか……って、ソコかいっ!
それはともかく、三沢のCoCo壱は、駐車場からして「Yナンバー」でいっぱいです。家族で来てますもんね~。そんなにいいのかー
それにしても、最近、CoCo壱番屋がインドに出店するんだそうで……マジかよっ?これはまさに、「インド人もビックリ」ってヤツでしょうなぁ……(←古いって)
 
で、カレーです
そうはいうものの、こと「カレー」そのもので言うならば、アタクシは、CoCo壱のようなケースはアレとして、外食ではあんまり選択しません。「カツカレー」とかならともかく、普通の「カレーライス」もしくは「ライスカレー」を外食で選ぶことは、まずないですね~
と、いうのも、余程力の入ったモノでない限りは、外食のカレーって、だいだい業務用のルーを使ってる、とかなんですよねぇ。食べてみたらば……「むむっ、こっ、これは、バーモントカレーではなかろうか?」とか「あ~~ククレカレーだ、これっ!」って、経験あるでしょ?あの、何とも言えないガッカリ感。
 
ありませんか?
 
インドカレーとかタイカレーとなれば別ですが、日本風のカレーは、食べれば、どうしてもお里が知れてしまう
まあ、それだけ、カレーの味に関しては、日本人みんなウルサイ、ってことですよ。なぜならば、カレーとは既に「日本の家庭料理」であり、「郷土料理」でもあるんですから。カレーが日本に来て100年超、すっかり「国民食」であると同時に、家ごとに「ウチのカレーはこれっ!」ってぐらいに特徴がある「おふくろの味」(←ジェンダー論的ツッコミはナシね)そのものなんです
 
変な話、仮に、同じハウスの「バーモントカレー」を使ったとしても、鈴木さんちと佐藤さんちでは、別ハウス……まったく違ったモノになっている。それぐらい、青山さんちには青山さんちの味があるんです。確かに「人間到る処に青山さんちあり」ってぐらい青山さんはどこにでもいらっしゃいますが、その青山さんち、青山さんちごとに、カレーの味は全部違う、ってことです!(←「人間到る処青山あり」の解釈は、全くのウソですからね~)

とはいえ、だからこそ、「ご当地カレーイベント」なんてのもあるわけですよ
海上自衛隊では、船ごと(まあ、職場ごと、でもありますね)にその船の味ってのがあるそうで、「海軍カレー」というのは、今や、一つのイベントにもなってます。神奈川県の横須賀や青森県の大湊、広島県の呉など、海上自衛隊の基地がある場所では、地域おこしツールとして「海軍カレー」が盛んです。こうなると、まさに郷土料理ですわなぁ
 
ちなみに、横須賀を地盤とする国会議員の小泉進次郎さん↓
(最近、結婚を発表しましたが……)は、「横須賀海軍カレー」の地の出身なので、選挙応援などで全国各地に出かけるたびに、かの地では「視察を兼ねて」(←本人談)、必ず、その土地土地の「地カレー」を頼むそうですよ。先日の参院選でも、山形県遊佐町に応援演説に来ましたが、その際はちゃんと「遊佐カレー」を食べたそうです
 
そもそも、なんで海上自衛隊でカレーなの???
 
これは、旧海軍からの流れをくむものです。旧海軍は、当時の英国海軍をいろいろな点で見習いました。軍隊としての規律から食事のスタイルまで真似たんですな。で、上記のように、イギリスはインドを植民地にしていたので、海軍の食事にもカレー(といっても、日本のソレとは大夫違ったでしょうが……)が出されていたんだそうです
それで旧海軍の食事にもカレーが出されるようになったんだそうです。当時は、どちらかというとカレー味のシチューに近かったそうですがね
で……昔は今と違って衛星通信なんぞもありませんから、一度航海に出て、船の中だけで生活していると、日付もそうですが、曜日の感覚がなくなってきてしまうんだそうです。ほいでもって、週に1回、食事にカレーを出して、曜日の感覚を思い出させていたんだそうです。現在は週休二日制の導入に伴って金曜日がカレーの日だそうで、「金曜カレー」と呼ばれてますが、かつては「土曜日の昼ごはん」がカレーだったそうです

昔は日本も徴兵制がありましたから、海軍に入った若者たちが、軍隊でカレーの味を覚え、故郷に持って帰った、というのは想像に難くなりですね。軍隊の存在とその食事が、カレーの全国普及=国民食化に一役買った、というのは、あながちウソでもなさそうですね
 
まぁ、そういうわけで、「ウチのカレー」は、まさに「内カレー」なわけですよ、青山さん
 
当然のように、こちらにも対義語があります。「外カレー」、すなわち「外食でのカレー」です。これは、アタクシ的にはやはり、「内カレーにはない味・魅力への期待感」が感じられなければ、もちろん納得は出来ず、当然のように食事として選ぶこともないっ!
 
まあ、しちこめんどくさい事言ってますが、要するに「メニューにカレーを載せるなら、それなりの自信と覚悟は、最低でもあるんだろうな??ヲイ?!」ということです、はい。妙に高飛車ではありますが……
 
そんな中、久々にカツカレーではない「外カレー」をしたのですな
場所は山形市内にある「町の定食屋さん ドーマ」さんにて、↑「ランチカレーセット(唐揚げ)」=700円
こちらのお店の売りはどうやら「ダイナマイトカレー」という辛さ10倍のカレーなようで、それを完食すると、店内に名前が掲示されるという……何とも昭和的なノリです。マンガもいっぱい……ってほどではないんですが、そこそこあって、まあ、昔の喫茶店みたいな感じですかね
↑こちらの写真は薄焼き卵の下にいろいろと隠れてるその名も「かくれんぼ」=600円。遊び心がある、と言えばありですかね
 
で、肝心のカレーの味ですが、辛さがちょうど良く、懐かしいようで、実は、これは家でこの味を出すのは結構難しいんじゃないか?という絶妙なおいしさでした。さすがです。唐揚げの揚げ具合もお見事!でした

「外カレー」合格です。また食べに行きます、はい

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【初出:2019年8月21日】
 

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