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日本人はどうして英語が話せないのか? ④

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前回、どうして日本人が英語を話せないか?の理由として、「そもそも話を聞いてない」と書きました。相手の言ってることがわからなければ、そりゃ、会話は成立しませんわなぁ……。そこで、相手の言ってることがわからなければ、「聞け!質問しろ!」ということを言いました
 
Question!
 
実は日本人って、質問するの下手ですよね
わかりやすい例でいうと、先日、全英女子オープンゴルフで優勝した渋野日向子選手の帰国後の会見……いやいや、もっとわかりやすいのは、女子テニスの大坂なおみ選手が全米女子オープンで優勝し、日本に「凱旋帰国」した時の会見ですかね? それを思い浮かべてみればいいと思います
 
レポーターたちが、次から次へと同じような内容ばかり聞く。しかも、テニス選手相手に、全米女子オープンのチャンピオンに、「抹茶アイスクリーム」がどうしたとか、「イヤリング」がどうしたとか、「週末に行って見たいとことはどこか」とか、「北海道の親戚の反応はどうだったか」とか……「それって、テニス(プレー)に関係ないじゃん!」というような質問ばかりを延々とする。
さらには、「さっきの回答、聞いてなかったのかよ??」というように、入れ替わり立ち替わり同じような質問を続ける……。本人はもちろん、一緒に取材していた海外メディアも、相当ウンザリしたそうですね
まあ、見てるこっちもウンザリします。「このレポーターたちは、バカか?バカなのか??」とさながら「あまちゃん」です
 
さらには何台あるんだか知りませんが、カシャシャシャシャシャシャシャ……。ストロボライトと共に鳴り響くカメラのシャッター音。そんなに連写したいんだったら、動画撮ればいいじゃん、って程の「シャッターバカ」。あれだけストロボ浴びせられたら、眼だって悪くなると思うけどなぁ……まあ、アタクシは会見を開いたことも、開かされたこともないんでホントのとこはわかりませんけどね
 
話は戻しますが……

要するに「何を質問したらいいのか?」がわからないから、とりあえず何か聞いて、そのリアクションと流れの中で次の展開を考えようとしてるんだと思いますよ。だから、ウルトラ間抜けな質問も平気でする
たぶん、あれ、海外で、英語でする会見とかだったら、あんな間抜けな質問とかはしないんでしょうね、日本のレポーターたちも
 
なんで彼らがそうなるか?と言うと、言葉の構造の違いも絡んでくる話だとアタクシは思いますね。つまり、日本語はニュアンスの言語で、英語は説明する言語なんですな
 
だから日本語の場合の質問もぼわっとします。ストレートな聞き方は、日本人にとっては勢い喧嘩腰みたいなもので、総じて嫌がられる傾向にありますからね
 
「誠に申し訳ありませんが、いま一つ、ご趣旨が……」
 
これは、残念ながら既に亡くなってしまいましたけど、とても仲のよかった別業別会社の先輩が、某中央官庁に「出向」させられてた時に覚えた言葉だそうで、要するに……
 
「ナニ言いたいのか、まったくわかんねーよっ!」
って時に使ってたんだそうです。上役や政治家にワケのわからない無茶ぶりをされた時には、困ったような顔をしながら、こう応えるんだそうです
 
それに引き換え、英語はもっと単純です。文法的にもそうですよね。
 
This is a pen.
 
あ、別にリンゴとかパイナップルに刺したりはしませんよ。まあ、見ての通り、「コレ+です+一つの+ペン」となってます。もちろん、英語にも関係代名詞(だっけ?)みたいなものを使って、回りくどくというか、間接的に、「○○するところの××」みたいな言い方もありますけど、基本は、こないな感じなんですよ
 
で、アメリカに限らず、海外では、日本のような「みんな同じ○○人」という意識はありませんね。少なくとも、肌の色から眼の色、髪の色は確実に、類似も含めて、同じではないわけですから、外見的からして「同じってナニ?」なわけですから。
もし、彼ら彼女らが、ナニか「みんな同じだ」と主張するものがあるとしたら、それは「人権」とかになるじゃないですか?人間の基本的な権利としての話で。
すくなくとも、目に見えるものとしては、血でも流してれば別ですが、誰ひとりとして同じではないのが「当たり前」なわけですな
 
じゃあ、同じアジアの中国とか韓国はどうなんだ?見た目で言うなら、日本人と同じぐらい彼らも「均一性」……金日成じゃないよ……があるじゃないか?!!って?
まぁ、そりゃそうですが……中国は逆に人口が多いので、猛烈な自己主張文化ですし、韓国もどちらかといえば、オレがオレがの国なので、とりあえず、彼らの話は、こっち(別の場所)に置いておくとしましょうよ……
 
話、長いな……
ま、日本人は質問するのが下手なんですよ。要するに、「違いを評価すること」に慣れていない、と言ってもいいんじゃないかな。相手と自分との差異を、きちんと指摘・表現出来ないから、的確な質問が出てこない。まぁ、先のレポーターの話は、スポーツもロクにわからん人が、話題のスポーツ選手の会見に出て行った、ってのもありますけどね。もちろん、会見に来るレポーターは全員が「Number」で記事が書けるぐらい当該スポーツを熟知してから会見に行け、などとは言いませんが……ね
 
トウトツですが、UMUCの前に、少しだけ開校していたCTC=Central Texas CollegeのESL=English Second Languageのクラスでは、担当教師が毎回、こんな宿題を出していました
 
「何でもいいから、私に対して、5つ質問を考えてくること。但し、Yes,Noじゃないヤツ」
これは結構、アタマの体操になりましたね。そもそも、どう質問するから始めなきゃならんわけですから。その時はクラスに25人ぐらい(ESLだったので、20人以上が日本人、トルコ系アメリカ人とロシア系アメリカ人が各1人)いたから、指されるのも後半になってくると、考えてきた質問が誰かとダブってしまい、「それ、さっき出た。別の!」と冷たく言い放たれる。結構、キツかったなー
 
その時習ったのが、「FORD」でしたね~
F=Family(家族)
O=Occupation(職業や仕事、帰属するグループは?)
R=Recreation(余暇とか趣味、休日はなにした?)
D=Dream(夢や情熱、将来どうしたい?)
要するに、この4つの視点を持って相手を見れば、質問は自ずと出てくる、ってことでしたわ。実はこの発想法、その後の英語学習……つーか、英語を使う現場では、メチャクチャ役に立ちました。話に詰まったときに、特に使えるんですな

「ほ~~、キミには兄さんがいて、ニュージャージー州に住んでるんだ~。で、彼の仕事はなにやってんの?」

これで会話が繫げられます。じゅうぶん保ちます。もちろん、聞き取れなければ聞き返すし、知らない単語とかは、「いまの、その何とかって、なに?」と聞き返す。そんなんを繰り返していれば(もちろん、時間の都合もありますから、時と場合によりますけど……)、英語といえども、コミュニケーションをとるのは、さほど難しくはありませんよ。
できます。やってみよーよ。ロンよりヤス(←古すぎる)……じゃなくてショウコ
 
しかし、まあ、そんな意味では、上記のレポーターたちはFとかRの部分に特化して質問していたのかもしれませんけどね……(この項、つづく)
 
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