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映画「空母いぶき」

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空母いぶき=☆☆☆☆/☆☆☆☆☆
 
公開前にどっかの「ウラを取らない」で有名な新聞屋さんがトンチンカンなtweetをして、それにお仲間の、これまた「パクり専門」の作家さんが、さらに的外れなtweetをして……、まったくこの2人は、典型的な「炎上商法」だな~~と、場外乱闘的な話題が先行した作品です。しかしながら、実にタイムリーな内容だったのではないでしょうか?
あ、一部にネタバレありですよ~
 
たまたま、最近、海上自衛隊の「いずも」型護衛艦=これまでヘリコプター搭載護衛艦=が事実上の「空母化」についての関連新聞報道がありました。
まあ、そこでも書いてるのですけど、「太平洋側の防空体制の充実のために、というが、空母が一隻あったところで、何の役にもたたない」って話です
 
当たり前ですね
 
横須賀を母港とする米第7艦隊は、ニミッツ級の原子力空母、ロナルド・レーガンが中心ですが、その第7艦隊だって、「空母機動部隊」ってぐらいで、空母は常に単独ではなく、イージスミサイル巡洋艦やイージスミサイル駆逐艦、攻撃型原子力潜水艦、補給艦などの船団を組んで行動します。いくらロナルド・レーガンに60機を越す戦闘機を積み込んだところで、海中も含めた周りに護衛の5~6隻もなければ、あっという間に撃沈されてしまいます。あらゆる船は、魚雷攻撃に弱いんです。いまだったら、ドローンによる攻撃だって可能です。
「いずも」を空母へと改装するには最低でも4000億円ぐらいかかるそうですが……4000億円と言われても、それって生活感覚で言うとどらぐらいなのか、ちょっとピンときませんけどね。そういうわけで、空母が一隻出来たところで、運用上はどうしようもないのですわ。ホントに空母化して、それを現場に配備するのなら、この映画「空母 いぶき」のように、艦隊(劇中では「第5護衛隊群」という名前になってますが……)を組まなければならんのです。
 
「いずも」型護衛艦は対潜ヘリを搭載し、敵潜水艦への警戒監視任務を中心に、物資の輸送から災害時の拠点まで幅広い任務を担っているんですな
日本が掃いて捨てるほど、この「いずも」型護衛艦を持ってて、その一部を「じゃあ、空母にしようか!」というのならいざ知らず、いまでさえ2隻しかない「虎の子」なわけです。改装しました→でも一隻、単独です→魚雷一発で沈められました……十分、予想しうる話ですね
 
そもそもが泥縄ですからねぇ
あれは空母じゃない、ヘリコプター搭載型の護衛艦だ!と言ってたのを、空母に改装しましょうって……自家用車をいじるのとはワケが違うし、じゃあ、戦闘機を載せるにしても、まだ自衛隊による運用実績はおろか、導入すらされていないF35B……
 
この作品でも、早々に一発くらって、「発艦出来ない」というシーンが出てきますが、十分有り得るでしょうね~。改修費は4000億円ぐらい……ってこれも正確な数字が出されていないんですよね~。税金が使われるのに
それに見落としちゃいけないのは、4000億円ってのは「改修費」だけの話で、維持費や実際に運用まで持っていく費用はまた別なわけですよ
 
先ほどリンクした記事にも書いてあったけど、「硫黄島を戦闘機部隊の拠点として整備して空中警戒管制機と組み合わせる」方が効果的だし、現実的なのでは?って気がしますなぁ……。

他人のカネだと思って、ロクに考えもせず、じゃぶじゃぶ使ってんじゃねーよ
 
チコちゃんも含めた国民は、もっと怒ってしかるべきだと思うぞ~(←アタクシは怒ってます)
 
映画の話に戻りますが……原作者のかわぐちかいじは、よくよく原子力潜水艦による「戦争抑止力」というアイデアが好きなんだなーと思いました、とさ
 
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