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カレーとハイカラと柳田国男
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と、今回掲載中の写真はカツカレーです。一枚だけ違うのがありますけど……
カツカレー、アタクシ、大好きですね~。カツとカレーなんて、あ~た、至福の組み合わせじゃありませんか。カレーだけじゃなく、カツまで一緒ですよ。まあ、カロリーも2倍、2倍で、半端ないですねどねぇ……
こんなモン、50半ば過ぎて喰ってんじゃねーよっ!
とチコちゃん以前に、お医者さんに叱られそうですけどね
しかし、考えてみれば、カツもカレーも、国内カテゴリー的には「洋食」ですわなぁ。それこそ、明治だ大正だ、という時代には、「洋食を食いに行こう」なんてのは、そりゃあもう、ハイカラな話だったわけですよ。「ハレ」と「ケ」でいうなら、明らかに「ハレ」だったわけです……
しかしながら、時代も過ぎたもので、今どきは「洋食」の方が、そんなに「気取った感じ」や「ありがたみ」は感じませんね。値段的にも下手な「和食」の方が「洋食」よりも遥かに高級なわけで、「おい、きょうは和食の良い店行こう」と言われた方が、「きょうはうまい洋食を食いに行こう」と言われるよりも、逆に「ハレ」な気がするわ……
…………ハイカラってなに?
……ハレとケってなに?
ん~~。そこかぁ……。まあ、もっともです、今の人たちにとっては、知らんことかもしれませんわなー
まず、ハイカラ……ですが、ハイカラの語源は、「カラー(襟)がハイ(高い)」から来てます。1898年(明治31年)ごろに、東京毎日新聞の主筆であった石川半山という人が、洋行帰り(ヨーロッパ帰り)の外交官たちを「ハイカラ=高い襟を付けたシャツを着て、ネクタイをしている連中=」と、からかったのが始まりだそうです
このころの日本はまだまだ和装が中心だったので、洋服を着ていること、あるいはそれに付随する西洋スタイルな格好や趣味をすることは「西洋かぶれ」であり、当初の「ハイカラ」は「西洋かぶれめっ!」ってな感じだったのでしょうね
まあ、言葉が社会に広まって一般化していくうちに、「ハイカラだね~」とは、洋風で格好いい、あるいは、目新しく洒落ている……みたいな使われ方もするようになりました。
また、女性に向けた「はいからさん」なんて言葉もあります。こちらは大和和紀原作のマンガ(アニメ、ドラマにもなってる)「はいからさんが通る」が有名です。原作は1975年から1977年までの連載だったようですが、何度かアニメだ、ドラマだとリメイクされているので、知ってる人もいるでしょう。大正時代に、旧弊にとらわれることなく、颯爽と(ある意味破天荒に)生きたヒロインの物語です
本編中に、平塚らいてうの「元始、女性は太陽であつた」というのが出てきますが、大正時代は、大正デモクラシーに象徴されるように、近代が現代に変わろうしていた時代であり、同時に、第一次世界大戦など、戦争が国対国ではなく、世界規模へと拡大していた時代でもあります。わくわく感が在る反面、どよ~んとした感じやら、軍が力を増し混沌とした時代。イメージするなら、明るいけど灰色、って感じだったといえるんじゃないですかね?
……とまあ、ハイカラはこれぐらいにして
次っ!ハレとケ
ハレとケとは、非日常であるハレ(晴れ着の「晴れ」です)と、日常を表すケのことです。これは、民俗学者・柳田国男が見いだした日本人の伝統的世界観の一つ、なんだそうです。ちなみに近年の民俗学では、ハレとケだけでなく、ケガレもあるそうですが、これはまた、別の機会にしましょ。だって今回、カレーの話なハズなんですから……
で、もうちょっとだけ
柳田国男(1875~1962)は、「遠野物語」の作者でもあり、日本の民俗学の開祖の一人でもあります。大正~昭和初期は、上記、ハイカラにも象徴されるように、日本は、明治時代の「文明開化」からの西洋化が急速に進み、その結果、旧来型の生活習慣や価値観との対立・齟齬が増え、「日本人とは一体なんなのか?」とアイデンティティーが問われた、ある意味最初の時期でした。島崎藤村の「夜明け前」(←書き出しが「木曽路は全て山の中である」……で有名な小説ですね~。日本の近代文学を代表する作品です。←試験に出るっ!)なんぞも、テーマとしては似たようなモノですね
まあ、戊辰戦争・明治維新を経て成立した「日本」という近代国家が、日清戦争、日露戦争と対外戦争を経て、初めて一つの「日本国民」(当時は臣民ですが)という意識を得て、海外(もっぱら西洋ですが……)との差異にさらされつつ、じゃあ、自分は一体、ナニモノなのか?と考えだし、まあ、「自分探し」をし始めた時期ってことですわ
念のためですが、幕末以前は、「日本人」という考え方はなかったそうですね。江戸以前もそうですが、例えば、アタクシのいま居る酒田だとしたら、「出羽国」の人とか「荘内藩」の人であって、「日本人」というくくりではモノを考えていませんでした
まあ、江戸時代は基本的に鎖国でもありましたから、外の国=外国ってのは、普通の人々にはなかなかイメージ出来なかったでしょうね。特に、当時は外国船の航行をみかけることの少なかった太平洋側の人々や、ましてや山の中で生活していた人たちにとって、自らの生活圏を越えた場所へのイメージは希薄だったことでしょう。そもそも情報もあまりなかったし。
江戸中期以降になりますが、「国の外のこと」に関心があったのは、幕府の一部の高官を除けば、所謂、「蘭学」をやってる蘭学者だけでした。多くの人にとっての「国の外」とは、せいぜい、自分の住んでる藩の「外」か、出羽国のように、今で言うなら県程度の広さの地域の「外」についての話でした
だもの、ペリーが艦隊を率いて品川沖まで進出し、ちょっとずつとは言いながらも開港しちゃったもんだから、モノから人までガンガン国内に入ってくるようになり、そいでもって、アヘン戦争で清が英国にメタクソにやられた話なんぞが入ってくれば、無知から来る恐怖心が攘夷活動へと進み、今で言うなら、半分テロ国家みたいな幕末の狂躁期を迎えた、ってワケですよ。かくして、日本は戊辰戦争・明治維新を経て、一応、国家的には奪亜入欧をめざして突進していく……
しかしながら、そうは言っても、現代ならともかく、当時のモノゴトの伝搬速度からしてみれば、明治時代中盤になっても、地方も含めた状況は江戸時代のそれとさほど変わらないのに、外国とやらから、いろいろな風習や生活様式が洪水のように入ってくる。
その結果、江戸時代と大して変わらない部分と、文明開化で急激に急速に変わった部分が、さまざまな場面で衝突して、葛藤を生み出していた、ってわけです。葛藤は「文学」への第一歩ってワケです
……って、なんだか長くなったので、今回はこれまで!
ん?
そう言えば、カツカレーについては、以前に一席ぶってたわ……と、いうわけでカツカレーに関しては↑のリンクをごらんあれ。カレーについては、たぶん続きます……
#カレー
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カレーの話しは九割五分書いてない気がする(笑)
返信削除カレーの話しが九割五分書かれてない気がします(笑)
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