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映画「たそがれ清兵衛」

たそがれ清兵衛=☆☆☆/☆☆☆☆☆

2002年に公開された「巨匠」山田洋次監督による時代劇映画で、物語は、藤沢周平原作の同名短編小説がベースになってます。山田洋次監督はこの「たそがれ清兵衛」の他に「隠し剣 鬼の爪」と「武士の一分」を「藤沢周平時代劇三部作」として制作しています。いずれも大ヒットしましたが、この「たそがれ清兵衛」は、一番最初に公開された作品で、国内の映画賞を取りまくっただけでなく、米国・アカデミー賞にもノミネートされた「日本映画史上に残る時代劇の最高傑作の一つ」などとも言われていますね

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描かれているのは、江戸時代末期の地方に暮らす下級武士とそれを取り巻く人々の生活で、主演は、真田広之と宮沢りえです

物語は、この2人が織りなす、ある意味淡く、ある意味禁欲的な、そんな江戸時代、しかも武家社会下ならではの恋心と、これまた江戸時代・武家社会下ならではの、「お家」を巡る騒動とそれに絡む人間模様などが、山田洋次監督らしい、リアリティーやディテールにこだわった丁寧な映像で描かれています

撮影においては特に「当時の実際の明るさ」にこだわったらしく、夜のシーンや屋内のシーンでは本当に暗く(←いまでも地方にいけばそうですが、街灯がなければ、町であってもかなり暗い)、それによって、よりリアルな「下級武士の生活」や「江戸時代の有り様」が表現されていた、などとも評されていますね

物語の舞台となった「海坂藩」は、藤沢周平が描いた時代小説にしばしば登場する「架空の藩」ですが、そのモデルは、藤沢の故郷でもある現・山形県鶴岡、江戸時代なら出羽国・庄内藩だといわれています。
↑の予告映像は、川で釣りをしている場面ですが、庄内藩では、釣りは「武士の嗜み」として奨励されていたんだそうですね。「庄内竿」などという独特の釣り竿も「嗜み」の一環として作られ、今では芸術品扱いになってますわ

もっとも、庄内藩で奨励された「釣り」は、「川釣り」ではなくて、「磯釣り」のことらしいですけどね。と、言うのも、庄内藩のお城は、現鶴岡市の中心部でしたので、「磯釣り」をするためには、片道10キロほどを歩いて日本海まで出なければなりません

行って帰ってくるとなると、20キロですね。まあ、ちょっとした距離です。当時の道は現代のように真っ直ぐではないだろうから、実際は片道12~15キロぐらいはあったのではないでしょうか?しかも、釣果が上がるように、夜明け間近とか、日没直後……なんてタイミングを狙うとなれば、それこそ夜道を歩いたりもしなければならない……。

これが、本来は「遊び」ではある「釣り」を「心身の鍛錬につながる」などとして、殿様が推奨した理由なんだそうです。

ほいでもって、もう一つの「鳥刺し」について、ですが……「鳥刺し」がなんであったかを示す資料は、藤沢周平の小説の中にも特に出てこないらしいです。アタクシも藤沢作品を全部読んだ、とかそういうわけでもないので、あっちゃこっちゃの資料などから推測するしかないのですが……、「鳥刺し」とは、どうやら、長い棒の先にトリモチをつけ、それで小鳥を捕らえる……というもののようです

では、捕まえた小鳥はどうするのか?って??

鷹狩り用の鷹のエサにしたり、自らの食用にしたのでは?とモノの本などには書かれていますね。もしかすると、観賞用にウグイスとかを捕まえて、商人に売ってたのかもしれません。江戸時代には、鳥かごだの虫かごだのというのも、十分な手工芸品として流通していたようですから

さて、話を本作品に戻しますと……

大まかなストーリーとしては、主人公(真田広之)は、実は凄く腕は立つんだけど、妻に先立たれ、子持ちで、相当貧乏で冴えない下級武士。藩命を帯びて、他藩から?腕を買われて海坂藩に来た侍(俳優は田中泯で、この作品が映画デビューだったらしい)を上意討ちしなければならなくなる。身支度にかこつけて、幼なじみでもあり昔から恋心を抱いていた親友の出戻りの妹(宮沢りえ)に告白して……とまあ、いろいろな時代劇的ベタな要素がてんこ盛りです。

しかしながら、そこはそれ、巨匠・山田洋次監督らしく、登場する人物はいずれも丁寧に描かれていて、不思議なもどかしさを抱えたまま、物語は進んでいって、クライマックスの決闘シーンも、派手な斬り合い、というよりは、淡々と……おそらく、実際に、2人の侍が、実際の狭い室内で斬り合うとなると、あんな感じが現実的なのでしょう、大きな見せ場もなく終わります。

そして、後日談ということで、主人公は、この物語の数年後には戊辰戦争に出征し戦死してしまうのだそうです。これまた、妙にもやっとした終わり方です

まあ、物語そのものにもリアリティーを求めると、ハッピーエンドとかはあり得ない、ってことなんでしょうかね?
しかしながら、ことリアリティーといえば、真田広之と宮沢りえ、この主演2人の庄内弁が、店主にとっては、どうにもリアリティーのない響きでしたなぁ。妙に歯切れがいいというか……田舎の貧乏下級武士らしく、極めて粗末ないでたちをしているのに、話す言葉だけは江戸育ち……みたいな?

まあ、店主自身、庄内弁ネイティブではないで、「いや、あれは立派な庄内弁だった!」と強弁されてしまえば、「そりゃ、どうもすみませんねぇ……」って話ではあるんですけどね~。知り合いの庄内人によると、途中に登場する村の子どもだかの庄内弁が「完璧だった」そうですけどね

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