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映画「空飛ぶタイヤ」
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「半沢直樹」「下町ロケット」でお馴染みの池井戸潤が書いた同名の小説が、2018年に映画化されたものです。2002年にあった三菱自動車製大型トラックのタイヤ脱輪による死亡事故やリコール隠しが下地となっています。この作品はマンガにもなっているほか、2009年には仲村トオル主演でWOWOWでの5話連続のドラマにもなっています
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Spoiler Alert!
あらすじとしては、二代目社長・徳郎が経営する運送会社「赤松運送」の大型トラックが走行中に車輪が外れ、近くを歩いていた母子を直撃、母親を死亡させる、という事故が起きます。そこで警察などは赤松運送の「整備ミス」として捜査を始め、専門機関によるとされる事故調査も、トラックの製造元であるホープ自動車が行い、「整備ミス」と断定されてしまいます。社会的信用も失い、銀行も手を引き、赤松運送は「倒産」に向け一直線となります
そんな中、一度は社員の「整備ミス」を疑った徳郎でしたが、整備の担当者は独自の厳しい整備マニュアルをつくるなどしており、自社の整備に問題はなかった、と考えるようになります。同時に、ホープ自動車を調べていたルポライターらから、同様の事故が全国各地で起きており、実は、トラックの構造的欠陥ではないか?という疑惑が生まれます
徳郎はホープ自動車のカスタマーセンターに、事故車両の部品返還などを求めます。しかし、カスタマー戦略課長の沢田はこれには応じずにいました、が、そのうちに、どうも社内に「リコール隠し」を主導している「T会議」なるものの存在がわかってきて……
全体的なストーリーとしては、池井戸潤お得意の「逆境!逆境!大逆境からの大逆転」「巨大組織の中にも良心の欠片あり」ですが、感想を言うならば、映画としてまとめるには、ちょっと話が長すぎたような気がしますね。情報を盛り込み過ぎというか、見ているとストーリーを追うのがやっと、というか
次々といろいろな人物が登場するんですが、これが、時間が短すぎてその人物の描き方が薄っぺらになってしまった感じがします。映画のポスターなどでは、主演の長瀬、敵役のディーン・フジオカに次いで登場している高橋一生ですが、この高橋一生演じる東京ホープ銀行本店営業本部の井崎一亮がとにかく「????」なキャラに見えましたね
井崎はホープ自動車からの追加融資依頼を、「如何に系列会社であるとはいえ杜撰すぎる」と判断しており、そんな折に、この脱輪事件が発生したことから、ますます融資への評価を厳しくしようとします。そんな折、井崎に、大学の同級生で、ホープ自動車のリコール隠しを調べている「親友以上恋人未満」の週刊誌記者・榎本優子(小池栄子)が近づいてきて、井崎はその際、事件の裏には組織的で、何かトンでもないものがあるかのような、ヒントのような話をする……のですが、原作を読んでいないんでわかりませんが、この二人の関係って、もっと大事、というかしっかり描く必要があるんじゃないかなぁ……と思ったのですわ
原作が小説で、テレビ版、映画版と映像化され、両方を比較すると、やっぱり尺の長いテレビ版の方が話がよくわかる……ってのは、別に本作品に限った話ではないですね
群馬県御巣鷹山への日航ジャンボ機墜落事故とそれを報道した地元新聞社の話を描いた横山秀夫の小説「クライマーズ・ハイ」も、映画版とドラマ版が作られましたが、両方を見比べれば、どうしてもドラマ版の方が面白いし、話やら登場人物の葛藤やらもよくわかります。まあ、これは、長編小説を映像化する場合には、仕方のないことなんでしょうけどね
映画はどうしても時間が限られますから、話をどこでどう簡略化していくか。そのために、ストーリーをバッタバッタと切り刻み、その上で、どう整合性をつけ盛り上げるか……監督の手腕に大いに委ねられる部分だと思います
そんな意味では、本作品は、まあ、良くも無く、しかしながらその一方で、決して悪くもない仕上がりだった、という印象でしたね~。あくまでも当社比、の話ですが。なので評価は☆2つでした
おっと、もうこんな時間になっちゃいましたね。そういうわけで、みなさん、また次回、お会いしましょう。サイナラ、サイナラ、サイナラ
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