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映画「帰ってきたヒトラー」/ Er ist wieder da

帰ってきたヒトラー ☆☆☆☆/☆☆☆☆☆

2012年にドイツで出版された風刺小説が2015年に映画化されたものです。日本公開は2016年でした。話は、1945年、ドイツ第3帝国の首都・ベルリンの地下防空壕で死んだはずのアドルフ・ヒトラーが2014年の現代に蘇り、さまざまな騒動を起こしながらも、その弁舌で一定の地位を確実に築いていく……というものです。コメディ映画には違いないですが、なかなかにその笑いはシュールでブラックです

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Spoiler Alert!

正確に言いますと、死んだはずのヒトラーが蘇り……ではありませんね。本編を見た限りでは、ヒトラーは「死なず」に、そのまま現代にタイムスリップした、と言う方が正解でしょう。本人(ヒトラー)も「死んだと思ったら、死んでなかった」ってな認識ですので

さて、現代にタイムスリップしたヒトラーですが、当初は「そっくりさん」扱いです。つまり、現代ドイツにも「ヒトラーの物真似」をする人は居て、「ヒトラー」コントはある、ってことですね

そりゃあ、誰も本モノだとは思わないでしょう……って、まあ、当たり前ですね。歴史的には70年近く前に死んでるわけですし、仮にそのまま生きていたとしても、100歳は超えちゃってるわけですから、いきなり本人が現れたって、誰も「本モノ」とは思いませんよ

さて、ご存じのように現代のドイツにとって、「ヒトラー」や「ナチス」は、禁忌の最たるものです

第二次世界大戦でのホロコーストと、それに至るヒトラーとナチスの台頭を許してしまった反省から、ドイツでは法律で、ヒトラーやナチスの礼賛、賛美、ナチを想起させるシンボルの使用などを禁止してます

ドイツ刑法典130条 民衆扇動罪~こちらを参照しました

1項:国籍、人種、民族、宗教などによって定められる集団や、その構成員である個人に対して、「公共の平穏を乱すのに適した態様で」、「憎悪をかき立て、あるいは暴力的ないし恣意的措置をとるよう煽動する」こと、あるいはそのような態様で、それらの者を誹謗中傷することにより、その人間の尊厳を攻撃することの禁止。

2項:1項に該当する内容の文書を頒布、提示、放送などすること、およびそのために当該文書を作成・調達などすることの禁止。

3項:「公共の平穏を乱すのに適した態様で」、ナチスが行った民族謀殺を是認、矮小化し、またはその存在を否定することの禁止。

4項:ナチスの「暴力的かつ恣意的支配」を是認、賛美、あるいは正当化することにより、「犠牲者の尊厳を侵害する態様で公共の平穏を乱す」ことの禁止

見ての通り、この法律が最初に禁止しているのは、あらゆる「ヘイト」について、ですね。ヘイトは人類の敵である、というわけです。そして、ナチスを肯定することや讃美することへの禁止は3番目と4番目で登場しますが、ヘイト同様に、厳しく禁止されています
ナンともまぁ、同じ第二次世界大戦における「帝国主義国家の敗戦国」である我が国とはエラい違いですね~~

このドイツの感覚で言ったら、麻生太郎とか、最近も話題の杉田水脈とかいうヘイト常習者、櫻井よし子とかのウルトラ右翼やらは、全員牢屋行きですわ。それ以外でも、現に、ナチスのやったことを肯定したり、ホロコーストやらアウシュビッツやらの残虐行為を否定しないで「良かったこともある」なんて言っちゃってる日本の多くの国会議員の連中は、みんな揃いも揃って、確実にブチ込まれてますね。まさに、もし、日本がドイツだったら、の話ではありますすが……

ドイツももちろん、こんな連中にビザとか出しちゃいけませんぜ(笑)

しかしながら彼ら彼女らが、その無知蒙昧な放言を可能なのも、実は「日本」という不思議な国に「護られた結果」である、ということを自覚すべきですね。変える変えると騒いでばっかいないで、日本国憲法にちぃっとは感謝しろ、ってんだ。お前さんたちが好き放題やってられるのも、現憲法に護られているからなんだぜ……

そもそも、人種差別とかヘイトとか、要するに、人間の尊厳にかかわることというのは、「無知であること自体が罪」なんですよ。世界的なスタンダードで言えば

たまさか日本は、すべからく「あいまいな日本のワタシ」を標榜することで、また、海外との接点を積極的に見いださない、さながら「思想的鎖国」を作り出すことで、さも、「我関せず」のような気分で居ますが、世界標準で言えば、日本的な「あいまいで我関せず」といった人権感覚では、確実に「アウト」なんですよ

日本のアホな政治家が、差別発言とかヘイト発言とかを繰り返し、それでもなお、さも「解釈する側が間違っている。そんな意図ではない」などと言い放っていますが、これはあり得ない事態なんですな。日本だけで通用する(←実際は通用していないけど)理屈ですよ

日本人は、第二次世界大戦におけるナチスドイツや日本の、他国(支配地域)における数々の残虐行為を、歴史的事実としてきちんと学んで、ドイツのように国全体が制度としても反省することが必要なんですよ。そして、それらの「謝罪」や「補償」をきちんと済ました上で、モノゴトを発信すべきだと、アタクシなんぞは常に思いますね~

戦争の体験もロクにないアホな現代の政治家どもが、自らの国が犯してきた犯罪行為をきちんと認証し、反省し、それを行動で示さない限り、過ちは何度でも起こりうる。しかも、「同じ過ち」を……。その可能性にもっと自覚的にならんと

それは、例えば「南京大虐殺」の「死者が3万人だった」から「南京大虐殺はなかった」というような話ではなく、数の大小は数の大小としてきちんと精査して、同時に、そのような対軍人だけでなく、中国の民間人をも巻き込む「大規模な虐殺行為があった」、という事実はキチンと認める。そういうことが、一番大事だと思うワケですよ

アタクシは、南京で大虐殺があったことを日本が国家として認めることは、別段、日本国にとって忌避すべき行為ではない、とは思いますがね。「サムライの国」「武士道の国」なんぞと言うのなら、「あったこと」に屁理屈をつけて、「なかったこと」にしようとする方が薄みっともなくないか? 

この手のの「歴史修正主義者」が恥ずかしいのは、そこだなぁ。やったことは素直に認めろ、反省と謝罪は心からしろ……。第一、その方が,潔くて格好良くないかい?

まあ、そんなワケで、少なくともドイツは、法律を持ち出してまで、第二次世界大戦におけるナチスの行為を反省してます。それは、日常の些細なことにまで及びます

例えば、日本ではつい2~30年前まで運動会の入場行進などで、ごくごく「当たり前」に行われていた「右腕を右斜め前に伸ばすポーズ」……もっとわかりやすく言うと、高校野球の開会式で行われる、あの右手を右ナナメ上に突き出す「選手宣誓のポーズ」ですね……あれは、ドイツでやると逮捕されます。マジな話です。そういうわけで、アレは法律で禁止されてますから

ナチスがそういうスタイルで敬礼していたんですな。過去の画像なり映像なりを見ればすぐにわかります。「ナチス式敬礼」なのですな、あれは


なんだか話が長くなりましたが……

まあ、要するに、ドイツは先の大戦を大いに反省しています。現在のドイツという国家に対し、「反省が不十分だ」とか「補償しろ」などとケチをつけてくる国家や民族はいないんじゃないかな?
あたしゃ日本が先の大戦で侵略被害を与えた国や民族に対して、「ナンの補償も反省もしていない」などとは考えていませんよ。中国でも韓国でも東南アジアでも、いろいろ補償はしてきましたよ。反省もしてきたでしょうね。しかしながら、国全体で見れば、果たしてドイツのように徹底した部分はあったのか?というと疑問ですわ

戦争責任……という意味では、天皇(昭和天皇)は、一切責任を取ってませんね。国家元首であり、国の最高指導者であったにもかかわらず、天皇は責任を取ってません。東京裁判で戦犯として裁かれたのは、東条英機を首班とする内閣ですね

「お国のため、天皇陛下のため」といって戦地に狩り出され、天皇の名の下に兵士も民間人も死んでいったのにもかかわらず、その天皇そのものは一切の裁きを受けていない

この辺りも、日本がドイツのような徹底した戦後処理を出来なかった理由の一つになるのではないでしょうか。戦後処理がきちんとなされていない……少なくとも、アメリカ以外の「相手国」にとっては、いまでもそう見える。それだけでなく、国民の中にも、「加害者」よりも「被害者」意識が強く、侵略戦争を、「アジアの解放のための戦争だった」などと都合良く塗り固めようとする輩が絶えない……

この映画を観て思ったのは、同じ第二次世界大戦における敗戦国である日本とドイツの大きな違いについてですかねぇ……例えば、ヒトラーを主人公にした映画では、さまざまなパロディーを生んだ「ヒトラー最期の12日間」から、古い話ではチャップリンの「独裁者」などいろいろありますね

果たして昭和天皇が主人公の映画ってあります?昭和天皇が登場する映画があっても、昭和天皇が主人公な映画はないでしょうねぇ。今までもなかったし、これからもないでしょう。残念ながら明治天皇であっても、大正天皇であってもないですね

天皇が主人公の物語って、過去に遡ってもないのでは??ついこないだまで「神」だったから扱いが難しいのか……しかしながら、同じ立憲君主制の国でもイギリス(英国王室)は、映画の題材にもパロディーの対象にもなってますよね

まあ、日本が真の民主国家となるためには、この「天皇問題」「歴史問題」をきちんとさせないといけないでしょうなぁ。なんか、話が脱線しまくりでしたが、そんなわけで、いろいろと示唆に富んだ映画でしたよ。機会があったら、是非ごらんください。サイナラ、サイナラ、サイナラ
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