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映画「THE BUCKET LIST/最高の人生の見つけ方」
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吉永小百合と天海祐希のW主演で2019年に日本でリメイクされた映画「最高の人生の見つけ方」のオリジナル版です。アメリカ映画で2007年の作品ですね
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Spoiler Alert!
日本版は女性の組み合わせですが、本家はおっさんの組み合わせです。話の基本的な部分は同じ(←そりゃ、リメイクですから)だけど、日本版とは全くの別物です……って、この書き方はおかしいか(笑)アメリカ版が本家なんだからそれはさておき……
モーガン・フリーマンの声がいきなりナレーションを始めると、思わず「The Shawshank Redemption (ショーシャンクの空に)」を思い出してしまうのは、決して、アタクシだけではないハズです(笑)結構、ツボでした。オープニングから(笑)
このツボ、映画ファンならば、だれでもわかる話ですよね?
物語のあらすじとしては……クイズ王的に博学な自動車修理工のカーター・チェンバース(モーガン・フリーマン)は、定期検診?のようなものでガンが発見され入院しますが、その病院で、病院のオーナーでもあるエドワード・コール(ジャック・ニコルソン)と同室になります
カーターは数カ月間、激しい副作用を伴う抗がん剤治療を行ってきました。治るのか、治らないのか……医師や看護婦は、カーター自身が「いま、どんな状況にあるのか」を明確には教えてくれません。そんな期待を不安が入り交じる日々の中で、カーターは「死ぬ前にやっておきたかったことリスト」=映画の原題でもある「The Bucket List」=を書き始めます
まあ、これも一つの「終活」ですね
死が、自分にとって「そう遠くない未来に確実にやってくるであろうこと」で「どうにも避けらそうにない」……。「いま自分はなにをやりたいか」「これからなにが出来るのか」「これだけはやっておきたい」……Bucket List作りは、ある意味、自分の過去を振り返り、総括する過程であり、同時に、終わりにしか向かっていけない自分を納得させ、かつ、残された時間を有効に使いつつ、限りある未来に、少しでも希望や楽しみを持って今を生きる……リストを作ることで、頭の中を整理する作業でもあります
そんなわけで、カーターは、自らに死期を納得させる過程としてリストを作ります
リストはこんな具合です
1,Witness something truly majestic
2,Help a complete a stranger for the good
3,Laugh until I cry
4,Drive a Shelby Mustang
一方のエドワードは、元々全身にガンが転移しており、入院のきっかけとなった脳腫瘍はなんとか取り除けましたが、他はいかんともしがたく、「余命半年、もって1年」と告げられます。エドワードは呆然としつつも、主治医に「カーターにも(現状を隠さず)きちんと現状を伝えろ」と命令し、カーターも余命いくばくもないことを知らされます
一度は納得しようとリストを作ったカーターですが、いざ、余命を告げられると大きなショックを受け、そのリストを投げ捨てます
が、それを拾ったエドワードは、自らの「やりたいこと」を書き足して……
1,Witness something truly majestic
2,Help a complete a stranger for the good
3,Laugh until I cry
4,Drive a Shelby Mustang
Kiss the most beautiful woman in the world
Get a tattoo
Skydiving
……
……
「2人で実現しよう」と持ちかけます。カーターは尻込みをしますが、富豪であるエドワードは、金銭面の心配は無用だ、何より「このままベッドにいて、クソ科学実験に身を任せるか、それとも、外へ出るか?」とカーターを煽ります
油にまみれて45年間、家族のために修理工として働いてきたカーターに、最後ぐらい、自分の好き勝手にしたって罰は当たるまい……何より、カネの心配はないんだから!
持つならこんな友達ですね(笑)
そういうわけで、エドワードは、カネにものを言わせ、カーターと二人でそのリストを実現させていくことになります。スカイダイビングしたり、サーキットを貸し切ってムスタングを走らせたり、アフリカに行ったり、エジプトに行ったり、インドやヒマラヤに行ったり……
それにしても「カネがある」というのはいいことですね。どんだけあるんだか知りませんが、エドワードは自家用ジェットにカーターを乗せて世界中を飛び回ります。自分は機内でちゃっかりCAとコトに及んだりもします。とても死期が迫っているとも思えません。まあ、「薬が効いてる」らしいですが。何より、ジャック・ニコルソンですから、生きることのへの執着感というか、「生臭さ」をぷんぷんと匂わせます。さすがですね
さて
このドラマの中で「へ~~っ」って思ったのは、スカイダイビングですね
日本版では吉永小百合と天海祐希が挑戦しますが、そりゃあ、日本人にとっては、スカイダイビングはちょっくらちょいと出来ることではないので、「死ぬまでにやりたいことリスト」に入っていても驚きはないけれど……アメリカ人にとってもスカイダイビングってのは「レア」なイベントなんですね
エドワードに「病院から抜けだそう」と誘われた時に、カーターがOKの意味で返すのも「スカイダイビング?!」という台詞です
アメリカですから、明らかに、日本国内よりはやってる場所も多いだろうし(日本版でもスカイダイビングは海外でやってましたしね、たしか)、そんなに、「やってみたいがやったことがないこと」の「象徴的なもの」なのかいね……?
これはちょっと「へ~~っ」でしたね
さてさて
日本版では金持ちである天海祐希が先に死にますが、本家版では、修理工のカーターが先に死にます
妻以外の女を抱かせようと仕組んだエドワードに、カーターはむしろ家族との絆の大切さを再認識し帰国を求めます。そして、逆にエドワードが疎遠となっていた娘との再会を仕掛けます。これが契機となり2人は決別するのですが、自宅に戻り家族との時間を過ごそうとしていたカーターは突然倒れ再入院に
ガンの脳転移が明らかになり、確率の低い手術に臨もうとしているカーターをエドワードが見舞います。その時、カーターは、エドワードが「世界最高値のコーヒー」とありがたがっていた「コピ・ルアク」が、ネコの糞から取り出した豆であることを解説した紙を渡し、エドワードに読ませ、大爆笑します
そして、エドワードが怒って捨てたはずのリストを取りだし、リストの3番目にあった「Laugh until I cry」に斜線を引いて消し、「あとは頼む」と渡します
カーターの葬儀で、エドワードはカーターの家族や友人たちに向かって弔辞を述べます。そして、おもむろに懐からリストを取りだし、リストの2番目にある「Help a complete a stranger for the good」に斜線を引きます
そして最後には、エドワードの秘書が、エドワードの遺灰の入った缶を、ヒマラヤ山脈と思われるどこかの山にこしらえた祠に入れます。そこには、カーターの遺灰が既に収められており、おもむろにリストの1番目にあった「Witness something truly majestic」に斜線が引かれます
カーターとエドワードの「The Bucket List」はこうして完遂して終わります
「日本版とは別物」と書きましたが、それはどこいらが違うか、と考えてみると、総じて本家版の方が、話の一つ一つが洒落た印象がありますね。死を迎えるにしても、ドライで格好いい、とでもいうか。日本人とアメリカ人の生死感の違いなんでしょうかね?
いずれ、日本版のレビューでも書きましたが、余命宣告され、じわじわと死に向かっていくのは、あまり好きではないですねぇ。「96%」の方ですわ、アタクシも
突然、トウトツ、即決即死……これがいいなぁ
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