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映画「ウイークエンド・チャンピオン~モンテカルロ1971~」/WEEKEND OF A CHAMPION

ウイークエンド・チャンピオン~モンテカルロ1971~ ☆☆☆☆/☆☆☆☆☆

いや~~、これはF-1好き(とりわけ1970年~80年代の)には、たまらん映画ですねぇ。1971年のモナコGPを、映画監督のロマン・ポランスキー監督が、友達になったF-1の世界チャンピオン:ジャッキー・スチュワートと一緒に過ごしたモンテカルロでの特別な週末を記録したもんです

映画の宣伝によると「倉庫に埋もれていたフィルムは奇跡的に発見された」んだそうです

つーことは、当時は公開されなかった、ってことなのか?それとも、モーターレースが大好きなロマン・ポランスキー監督が、ジャッキーと知己を得たことから、「私的に撮影したもの」なのか……どうかはわかりませんが

Spoiler Alert!

さすがにジャッキー・スチュワートが活躍していたころのF-1はアタクシもナマでは見ていませんが、「フライング・スコッチ」という彼の愛称は知ってましたね。長髪に長いもみあげ、キャスケット帽(フランス版のハンチング帽)にタータン・チェック柄……その風貌は、いろんなところで、「レーサーの見本」みたいに描かれてましたからねぇ

そういえば、かつてあった、タミヤのプラモデル、1/12・F-1シリーズでは、ドライバーのフィギュアとして、明らかにジャッキー・スチュワートを思わせるレーサーがモデル化されてましたよ
中学校の頃、持ってたな~。でも、当時のあっしのお気に入りレーサーはニキ・ラウダだったんで、この長髪をどうやってニキの髪形に作り替えようか……と苦労したモンです。そういやあ、アレ、どうなったかなぁ……実家のどこかに残っているのだろうか?捨ててはないはずだけど……

と、話はまたまたF-1そのものに戻りますが

70~80年代のF-1というと、F-1の歴史の中では、まさに、近代から現代へと移行したかのうな進化の時代だったと思います。まあ、ジャッキー・スチュワートは、その最初の頃のレーサーとなるわけです

何よりも、レースカーが、それまでの葉巻に楊枝を刺してタイヤをくっつけたようなスタイルから、ウィングと呼ばれる空力用の板がフロント部分やテール部分に加わるようになり、さらには、丸かった車体が角張ってきて、しまいには車全体で空力を考えるようになり……

この時代は、エンジンもフェラーリ以外は、ほとんどのチームがフォード・コスワースDFVを使っていましたね……

まあ、その結果として、マシンの設計やドライバーの腕が勝敗を「より左右する」という、ある意味、レースウォッチャー的には、ワクワクな時代であったかもしれませんね。エンジンの性能の差があり過ぎて、極端に言えば、マシンの形(設計)やドライバーの腕に関係なく勝敗が決まってしまっていた近年のF-1に比べれば、毎レースごとに、意外性やどんでん返しがあって、面白かったんではないか、と想像しますよ

毎回毎回、同じレーサー(チーム)が「ポール・トゥ・ウィン(予選で1位を取り、一番前からレースをスタートして、結局、そのまま優勝する)」では、そりゃあ、競い合い(レース)でもなんでもなく、見ている方だって退屈になり、人気は下がる、ってもんです。まあ、余談ですが

そういえば、この頃……ジャッキー・スチュワートが現役だった頃は、「レースで死ぬ」が当たり前の時代でもありました。マシンの構造も、レース場の事故対応も、もちろん、医療技術も、現在とは比較にならないぐらい「危険」でした。毎レースごとではないにせよ、毎年最低でも1人は死んでましたね。もちろん、事故そのもの重大さもあるのですが、マシンの安全性が低く、ちょっとしたことで出火もしやすく、仮に救急車に乗せられるところまでたどり着けたとしても、医療体制が未熟で助からない……なんてのがザラでした

ジャッキー・スチュワートは、当時を代表するトップドライバーであったと同時に、この手の危険を排除し、「安全なレース(だけど退屈ではなくエキサイティング)」の開催に情熱を注いだ人だそうで、死ぬことなくレースからの引退を果たしています

と、まあ、F-1の歴史やジャッキー・スチュワートの人となりの話はともかくとして……w

本作品で、「こっ、これは!」と思ったのは、ジャッキー・スチュワートの運転・解説付きで、モナコのコースを普通の来るまで走り抜けるシーンでしょうかねぇ

ジャッキーが「ここは3速で」とか「ここは縁石に注意しろ」みたいにロマン・ポランスキーに話ながら走るのは、なかなかに興味深いですわ

あとはジャッキー・スチュワートが白のブリーフ(ゴムの部分は青)姿で写っていることかなぁw
F-1チャンピオン、ブリーフなんだ……しかも白w

これに限らず、当時のファッションが、パーティーの場面なども含め、しっかりと記録されていて、時代やな~と思う次第ですわ。1970年代……日本なら昭和40年代半ば!まさに控訴経済成長で、公害を垂れ流しながら、国を挙げて、敗戦国から一流国の仲間入りをめざし、明日の大きな希望があったころ、です、はい

この映画の宣伝コピーには……

「そこには今まで見たことのないグランプリが記録されていた」

と、ありますが、時代も含め、まさにそれw
いろんな意味で面白い・興味深い作品でしたね


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