注目の投稿

映画「トップガン マーヴェリック」/TOP GUN:MAVERICK

トップガン マーヴェリック ☆☆☆☆/☆☆☆☆☆

トム・クルーズ主演の1992年の映画「TOP GUN」の続編ですね。一言でいえば、まぁ、ノスタルジー満載といいましょうか……。ノスタルジーとはすなわちロマンである、ってことですかねぇ

人は常に過去の上に今を築く……。実際、前作のシーンが所々に織り込まれていますから、ソンな意味でも、作品の中だけでなく、観ているこちらがわも、時の流れと、「過去があるから今がある」という現実を感じることでしょう

前作が30年前の話だけに、トム(←って気軽に呼んでますけど、知り合いじゃないですがね。念のため)が若いわ……

主人公はアメリカ海軍の戦闘機パイロット、ピート・”マーヴェリック”・ミッチェル(トム・クルーズ)です。前作では、同じ海軍パイロットだった父親の死(実は極秘作戦で仲間を救っての戦死だったが、機密とされたため不名誉戦死のような噂が一人歩き)がトラウマとなり、無謀で危険な厄介モノの一匹狼でした。まあ、海軍エリート校の「トップガン」に入校し、ライバルとの競争、民間人教官との恋、親友の事故死などを通じ、成長していく、という、さながら「少年ジャンプ」のような話でした

あれから30年……

ピートは大佐に昇進してはいますが、基本的な立ち位置は相変わらず「能力は高いが、厄介で使い難いヤツ」という評価のままです。本来なら「管理職」(←まあ「大佐」も十分、管理職ではありますが……)となって、少将なり中将なり大将なりに、まあ、海軍で言うところの「提督」になってなければならないキャリアなのに、いまだに、「現場の戦闘機乗り」のまんまで、階級も「大佐」止まりです

そんなピートに,再び「トップガン」に異動せよ、との命令が下ります。とある困難なミッション(「ミッション・インポッシブル」ですね、つまりw)のために近年のトップガン卒業生のエリートたちが集められるのですが、そこで「教官をやれ」というものです

「教官なんざぁ、ガラじゃない」とピートは反発しますが、この命令は、かつてのライバルで親友で,現在は太平洋艦隊司令官の地位にあるトム・”アイスマン”・カザンスキー海軍大将(ヴァル・キルマー)が、ピートの能力と経験を見込んで、半ば強引に「ねじ込んだ」人事で……まあ、ストーリーは実際に映画を観ていただくとしてw

この作品、人間ドラマであると同時に、戦闘機(しかもアメリカ海軍のっ!)の映画でもあります。前回は当時は主力機種だったF14戦闘機でしたが、今回は、現代ではむしろ旧型機になるF18戦闘機(F/A18Fスーパーホーネット)が主役です。もちろん、F18は現在でも現役で使われていますが……

↓これは電子戦用機体のEA18Gグラウラーですね↓
基本はスーパーホーネットと同じです
アメリカ海軍で使っているF35Cといった「第五世代戦闘機」と呼ばれる機体は、データリンクやGPS、ステルスなどの機能が満載で、仮に、F18やF14などの第四世代と、F35やF22といった第五世代が「空中戦」をやったら100対1ぐらいの性能差があるともいわれてます

↓こちらはF35A(空軍型、自衛隊機)です
さすがに最新鋭の機体では、機密も多すぎて、まだまだ映画撮影にまでは使えないでしょうから、今回の作品で、旧型でもあるF18が「主役」になるのは、映画制作上も自然なことでしょう。一方で、前作の「主役」F14は既に退役しています。F18は現アメリカ海軍の「主力機」には違いないですが……ドラマとしては、いまは既に「旧型」扱いされてしまっているF18が主役になるべくの「設定」が必要になります

それが今回の「高度な電波妨害があって、GSPなどを利用している最新鋭機体が使えない」という戦場の設定でした。敵基地にたどり着くためには山の合間を縫って低空で飛行して、最後には背面で稜線を駆け上がり、ひねって爆撃……。その後は全速力で逃げる

ん?どっかで既視感ないか?この作戦??

往年の少年マンガの名作「エリア88」を知ってる人なら、今回の作戦は、エリ8の「オペレーション・タイトロープ」をパクったのでは?と思うに違いないですねw

しかも、「ひねって爆撃」というのも、エリ8では、確か地上空母戦の一環であったようなwすげーな、「エリア88」!

エリ8ファンにとっては、エリ8の作戦を実機で実現してくれたのが、今回の「トップガン マーヴェリック」ではないかっ!と、これまた、押し入れの奥から「エリア88」を引っ張り出してきて、またしてもノスタルジーに浸ってしまう、というオマケ付きですね


それはさておき……

作戦は成功するのですが、ピートとピートの親友で、前作で事故死したニック・“グース”・ブラッドショウ中尉(アンソニー・エドワーズ)の息子、ブラッドリー・“ルースター”・ブラッドショウ大尉(マイルズ・テラー)は撃墜され、敵中に孤立します。が、2人で敵基地に侵入し、放置されていたF14戦闘機を盗み出し、脱出に成功する、という……

比較的リアルさにこだわった「作戦遂行」までと、まったくフィクションとなる「脱出編」の組み合わせはいかにも映画的で、だいたい敵中に、かつての愛機・F14がホコリをかぶって放置されていて、それに乗って脱出する……ヲイヲイ、そう都合良くいくかよ??ではありますが、おそらく、このF14を引っ張り出してきた、というのも、前作へのオマージュであり、ノスタルジーなのでしょうw

ま、スピーディーで、人間像もよく描かれており、最終的にはいかにもアメリカ映画的なご都合主義ではありますが、十分に面白かったですよ。機会があったら、また映画館でみたいですわ

そういえば、エリート中のエリートパイロット集団である「トップガン」の卒業生に女性パイロットがいる、というのも、前作から30年が過ぎているのだなぁ、という、いかにも時代の流れを感じさせるエピソードでしたね

ちなみに女性の戦闘機パイロットは日本でも2018年に誕生しています↓
ああ、戦闘機パイロットになりたかったなぁ……
もう少し後に生まれてれば……


こないなのに↓参加してます
ポチっとしていただけると喜びます

コメント

このブログの人気の投稿

無関心ではいられるが、無関係ではいられないコト

酒田・中島精肉店の反則メンチ

映画「武士の一分」