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映画「マイ スモール ランド」
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マイ スモール ランド ☆☆☆☆☆/☆☆☆☆☆
星☆五つです。もちろん、あくまでも「当社比」ですが、久々にココロを鷲摑みで揺さぶられました。素晴らしい作品だと思います。見終わっての感想としては、社会に対して「無関心でいること」は、やはり、確実に「罪」である、ということでしょうね。同様に「無知であること」、あるいは「無知で居続けること」も、やはり、大きく「罪」なのだな、としみじみ思いましたね
星☆五つです。もちろん、あくまでも「当社比」ですが、久々にココロを鷲摑みで揺さぶられました。素晴らしい作品だと思います。見終わっての感想としては、社会に対して「無関心でいること」は、やはり、確実に「罪」である、ということでしょうね。同様に「無知であること」、あるいは「無知で居続けること」も、やはり、大きく「罪」なのだな、としみじみ思いましたね
Spoiler Alert!
話は、日本国内に住むクルド人難民一家、その高校2年生の長女が主人公です
ドキュメンタリーか?と思うような登場人物たちのリアルさと、まさにその場に立ち会ってるかのようなカメラワークに冒頭から引き込まれます。リアルな物語(もちろん映画なんで、フィクションのドラマなんですが……)なので、ハッピーエンドではありません
監督と脚本を務めたのは、川和田恵真監督です。女性です。まさに新進気鋭、といっていい注目株ではないでしょうか?
さて……本作品の主人公は、クルド人難民の子どもで、5歳から?日本(埼玉の川口かな?)で育っている17歳の女子高校生・サーリャ(嵐莉菜=モデルらしいですが、素晴らしい演技力ですわ)です
生まれこそ日本ではありませんが、日本国内で教育を受け、育ったわけで、外見はともかく、中身は、まったくの「日本人」です。受験を控え、進路相談や内申、同級生やバイト先の人間関係に一喜一憂しながらも、平凡な毎日を送っていました
ちなみに、クルド人とは、中東のトルコ、イラン、イラク、シリアにまたがって暮らす「国を持たない最大の民族」で、日本にも2000人ほどが暮らしているそうです。全員が「難民」というわけではないようですが、日本政府が「難民認定」をしたクルド人は「ないに等しい数」なんだそうです
そんなある日、父親のマズルム(マズルム・チョーラク=アラシ・カーフィザデー)が国に出していた「難民申請」が却下され、チョーラク一家は日本での在留資格を失います
在留資格を失うと、就労(働くこと)が禁止されるだけでなく、許可無しでは「居住区」である埼玉県から出ることが禁止され、国民健康保険からも排除され……。サーリャは内定しかけていた大学の推薦さえも白紙にされてしまいます……
本作品のコピーは「ここに居たいと 願うことは 罪ですか」ですが、それがここにあります。在日外国人にとって在留資格を失うということは、まさに、「ここに居たいという願い」が罪に問われてしまう、という法律の仕組みでもあるのです
サーリャは、生まれこそ日本ではないかもしれませんが、幼少時から日本で育ち、他の日本人たちと変わらない暮らしをし、他の日本人たちと同じような思想、文化、メンタリティーを持っているのに、いきなり「日本人」ではなくなってしまう。サーリャの妹のアーリン(リリ・カーフィザデー)、弟のロビン(リオン・カーフィザデー)に至っては、日本生まれの日本育ち、会話は日本語オンリー。サーリャと違って、クルド語は話せません
現代の高校は、かつてほど、人種的な均一化されていませんね。ましてや、埼玉のような首都圏ともなれば、クラスメートに、近いルーツを海外に持つ子がいても、まったく不自然さはありません。本編でも、特別な説明がなければ、主人公のサーリャも、来年に受験を控えた、ちょっとナイーブな普通の高校生にしか見えません
しかしながら、サーリャは、クルド語も話せるので、周囲のクルド人コミュニティーと日本との「橋渡し役」として、多忙でもあります。「出来る同胞」に過度の負担が押し寄せる、というのは、違う土地で暮らすコミュニティーにとっては必須なんでしょうね
と、話があっちゃこっちゃ行ってますが……
……この映画が投げかけてくる問題提起の一つは、まさに、「日本人とはなにか?」という根源的な問いでしょう。人とその国籍、人種……つまり「人」の、「個人」のアイデンティティーをは、なにをもって成り立つのか?という問題です
川和田監督は、自身もルーツを国外に持ち、日本生まれの日本育ちにもかかわらず、その見た目から「ガイジン?」「日本語上手ですね」などと言われ続けてきたそうで、プロダクションノートでは、「アイデンティティーというのは大事なテーマで、そういう想いが、国を持たないクルドの人たちへの興味につながった」と話しています
本編の主人公一家に限りませんが、外国人(外国籍)であっても、幼少時から日本で育ち、日本語を解し、日本的な文化・作法の中で生きてきた人たちは、時として「在日○○人」と呼ばれます。しかしながら、その思考法や社会規範は往々にして「日本人そのもの」だったりします。人によっては、最近の「日本人」よりも、「日本的な感性」だったりもします。しかしながら「日本の社会」は、見た目や国籍で、同じ「日本人」を「日本人ではない」と差別・区別します
国とは一体なんでしょうね?
確実に言えるのは、大体の国というのは、「国が最初に(先に)あって、国民が後から来た」ものではない、ということです
人々が集まって「国」「国家」という組織を作る。これが普通であり、自然な形です。土着的であろうが、流入して来ようが、人が集まって、集落が出来て、村になり、町になり、都市になり、国家になる……これが成り立ちとしては普通です
もちろん、同じ志を持ったものたちが集まって作る国もあるでしょうが、最初最初は、そこに住む人間たちが、なんらかの括りで集合体を作っていっての果てでしょうから、それはレアな形といえるでしょう
そういった意味では、イスラエルは、最初に「国」という枠組みが出来て、先住民が居るにもかかわらず、その人たちを「追い出して」まで、「国家」を作ったわけですから、かなり特殊ですね。まあ、日本がかつて中国大陸北東部に作った「満州国」も同じようなものではあると思うのですが……
話を映画に戻しますが……
不法滞在・不法就労者として父親・マズルムが収監され、サーリャと家族は、周囲から一斉に手のひら返しを受けます……。なんとかしてあげたい。しかしながら、個人は余りに無力です。サーリャの周囲の「基本的には善人」たちも何も出来ず、サーリャ自身も、正直、何をどうすればいいのかわからない。しかし、それでも、生きて行くしかない……。映画はそんなところで終わります
結局のところ、事態が解決するわけでもなく、主人公のこれからを考えると、むしろ、陰鬱とした気分になってしまうかもしれませんが、それでも、ちょうど、「パンドラの箱」のように、最後に弱々しくも確実な希望の光を感じることが出来るのは、この作品のクオリティーの高さならではなんだとおもいました
いやー、映画って本当にいいものですね~。それではサイナラ、サイナラ、サイナラ……
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