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映画「FIRST MAN」
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FIRST MAN ☆☆/☆☆☆☆☆
ニール・アームストロングという人は、真面目で、「クール」というよりはいつも沈着冷静で、どちらかというと地味な人だったようですね。テストパイロットをしていたので、沈着冷静は大事なスキルではあり、そのことがあればこそ、宇宙飛行士にも選ばれたわけでしょうから
That's one small step for (a) man, one giant leap for mankind.
有名な言葉ですね。人類初の月着陸を成し遂げたアメリカの「アポロ」計画で、人類で初めて月に降り立ったアポロ11号の船長で、人類として、最初の一歩を月に刻んだ男・ニール・アームストロング(Neil Alden Armstrong 1930/8/5~2012/8/25)の物語です。映画は、ニールの公式伝記を元にしたもので、2018年に公開されました
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Spoiler Alert!
ニール・アームストロングという人は、真面目で、「クール」というよりはいつも沈着冷静で、どちらかというと地味な人だったようですね。テストパイロットをしていたので、沈着冷静は大事なスキルではあり、そのことがあればこそ、宇宙飛行士にも選ばれたわけでしょうから
こんなエピソードがあります
Neil Armstrong had his mind on the moon long before he, Mike Collins, and Edwin "Buzz" Aldrin were chosen to crew Apollo 11, the first lunar landing mission. A college classmate of Armstrong's remembered a campus conversation in which a friend said to the even-then-aspiring astronaut: "Neil, you must want to be the first man to go to the moon."
"No," answered young Armstrong, " I just want to the first man back."
(THE LIGHT STUFF by BOB WARD)
まあ、優秀だけど、ちょっと面倒臭いヤツって感じかな~
さて
物語はテストパイロットをしていたニールが、幼い娘を脳腫瘍で失い、その後、宇宙開発のジェミニ計画にアポロ計画へと参加し、最終的にはアポロ11号の船長となり、人類として最初の月面着陸に成功する……という、そんな半生が淡々と描かれています
同じ宇宙飛行士を取り上げた映画だと、名作「ライトスタッフ」がありますが、「ライトスタッフ」と比べてもこの映画は、極めて淡々とした、ドラマがない、盛り上がりに欠く内容となっています。まあ、「現実の人生は、それほどにドラマチックなものではないっ」ということなんでしょうかね?
とはいえ、幼い娘を脳腫瘍で失うのとか、人類で最初に月に降り立つのとかは、相当にドラマチックなハズなんですが、まあ、派手な演出もなければ、華々しい映像作りもありません。そういった意味では不思議な映画です
「宇宙開発モノ」の映画というと、やはり「ライトスタッフ」が最高傑作だと思います
「ライトスタッフ」は、人類最初に「音速の壁」を破ったチャック・イェーガーから、アメリカが有人のロケットを打ち上げ、最終的には今回のアポロ11号による月着陸とつながる宇宙開発の、マーキュリー計画、ジェミニ計画と、アポロ計画の直前までを描いたものです。人類初の宇宙飛行をライバルであるソ連に先を越されるわ、造るロケットは欠陥だらけでまともに飛び上がりやしないわ……そんな時でも、団結力とユーモアを失わず宇宙をめざした7人の宇宙飛行士たちと、そんな宇宙飛行士を横目に、いつものように黙々と「大空の悪魔狩り」を続けるイェーガー……
同じジャンルなだけに、だれもが「リスペクト」している偉大な作品があるとすれば、後発である表現者たちは、どうしても、「それを超えるべく挑む」か、「同じ土俵には乗らずに勝負する」かと、その選択肢は限定的になりますわなぁ
この映画がどういう意図や狙いで構成されたのかは知りません。がしかし、ニール・アームストロングという、極めて劇的な人生を送った「地味な人」の、その冷静で沈着な目線で、人類初の月面着陸という偉業までの過程を描いたこの作品は、事実関係を淡々と押さえて作り上げた「再現ドラマ」のようでもあり、逆に、ニールやあの時代の空気感や世界観といったものに、新たな視点での関心が呼び起こされる、という、なかなかな仕上がりになっているのではないか……などと思いましたね
しかしながら、ニール・アームストロングのような常に冷静で沈着、抑制的な人物がいたかと思えば、ドナルド・トランプのように、常に叫き散らし、自分のためだけに国だろうが制度だろうが、なんでもかんでもぐちゃぐちゃにしてしまうヤツもいる。アメリカって不思議で奥が深い国ですなぁ
月から戻り、NASAを離れた後のニール・アームストロングは、その巨大すぎる名声にもかかわらず、ビジネス面での活躍は抑制的でささやかなもので、上院議員選だの大統領選に出ることもなく、大学の教授を務めたぐらい。トランプのような自己顕示欲の塊で、都会の下水のような腐臭の塊のような人物を現実に見ていると、ニール・アームストロングとはまさに、孤高だが無名の山の麓に人知れず湧き出る澄みきった清水のような存在だったのですなぁ……などと思わずにはいられませんね
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