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日本人はどうして英語が話せないのか? ⑤ (ver.2)

勉強としての英語はできるのに、会話ツールとしての英語ができない日本人がたくさんいるのには驚きます


……って、ちょっと「上から」っぽい言い方になってますかね?すみません

というもの、アタクシは、かつては「読めない・書けない・話せない」の三重苦だったので、根底に「勉強としての英語が出来るなら、それはそれでいいじゃん!」ってのがあるんですわ。面倒臭い「勉強」は出来るのに、なんでキミは、本来、もっとも簡単であるはずの「会話」ができないの??……と素朴な疑問があるのですよ
読み書きが出来るのに、話せない…… 
結構、多いんじゃないですか? 今回はこの件についての考察です

ちなみに、読める……とは、音読ではなく、字が読める。つまり、英語の長文が読める、ということです。そして、書ける……とは、英作文が出来る、あるいは文法の問題とかもスラスラ解ける。そういう人たちのことです
 
UMUCのBridge Courseでもそうでしたが……アタクシが見てて不思議に思ったのは、そういう人「読み書きが出来る人たち」ほど、何故か喋れない。つまるところ、「会話」が出来ない。いま思うと、彼ら彼女らは、まあ、大体は音読も苦手だったように記憶します、そういえば
 
授業でのConversation……に限りませんでしたが、これらの、読み書きが出来ても喋れないクラスメートたちというのは、何故か、総じて真面目です。予習とか復習にもやたらと熱心です。教科書を受け取って、1週間後の次の授業では、「もう全部、やってしまった」などと豪語していた人もいましたよ
それだけでは飽き足らず、毎回、「(ちゃんと)宿題を出してくれ!」などと、本来なら本業で忙しいであろう「社会人学生」にあるまじき要求までをブチ上げてる人もいましたね~。曰く、「宿題があるとホッする……」

……って、どんだけマゾなんだよ?

まあ、こういう傾向の人は、どちらかというと年配者に多かったですね。日常生活が余程ヒマなのでしょう。他の生徒たち……特にまだ若くて、現場でもやることが多くて、2時間ばかりの授業を受けるにしても、職場で、「あーでもない、こーでもない」と、時間と人繰りをやりくりして、何とか通ってきている連中にしてみれば……

「ヲイヲイ、勘弁してくれよ……」
 
相当にウンザリしてたことでしょうねぇ。アタクシもウンザリしてました
この方々は、たかが、授業開始直後の口慣らしの会話でも、なんでしょう?……完璧を期す、というか、まあ、要するに……

「上手に喋ろうとする」

んですね。お題が決まってた宿題の発表での質疑とかだと、簡単な想定問答集まで作っていたようです。いや~、見上げた努力ですよ。まさに、会話じゃなくて問答なんです。これでは喋れるモノも喋れませんよ。そもそも、会話は「生き物」なんだから

彼ら彼女らがめざすところの「上手に喋る」とは、文法的に正しいとか、使ってる単語が適切だとか、そんな「カタにはまった美しさ」とでも申しましょうか……。まあ、これって、以前も書きましたが、基本的に、③の「オレの話を聞け」なんですよねぇ……。「会話」は、相手があって初めて成立するはずのモノなんですが、この方々は、さながら「○○道」のように、「自分が鍛錬したスキルを発揮する場」のようにでも考えてしまう
 
別に、英語での会話に限りませんが、人と人との会話って、そないな「一方通行」で成立するものでもなければ、「ワタクシこそが正義でアル」とでも言うような、自己発表や、価値観の押しつけをする場でもないわけですよ
 
月並みな例えですが、会話とは「キャッチボール」なわけです
キャッチボールなので、どっちが先に投げるか後に投げるかはどうでもいい話ですが、いずれ、相手からの球を受ける。投げ返す。受ける、投げ返す、受ける、投げ返す……の繰り返しです。もちろん、投げるのが下手な人もいれば、受けるのが下手な人もいます。投げる側も受ける側も下手っぴ同士、ということだって大いにあるでしょう

しかしながら、最初から相手が捕れないような球を投げてはキャッチボールにならないし、相手の球を最初から捕る気がなければ、これまたキャッチボールになりません。自分が熱心に準備して、自らの「英語道」を極めるのは勝手ですが、それでは「会話の達人」にはなれません。相手あってのことですから。そうやった視点で考えてみれば、前々回における①~③のケースとは、まさにこの「そもそもキャッチボールする気、あんのか?」というところにたどり着くのではないでしょうか……(この項、つづく)

【初出:2019年9月11日】

最近、英語、喋ってないです。やっぱ喋ってないと、喋られなくなるモンですねぇ……


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