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映画「ガーンジー島の読書会の秘密」/THE GUERNSEY LITERARY & POTATO PEEL PIE SOCIETY(ver.2)

ガーンジー島の読書会の秘密=☆☆☆/☆☆☆☆☆ 

第二次世界大戦が終わり、やっと空爆の恐怖から解放されたロンドンで、作家のジュリエットは一通の手紙を受け取ります。それはイギリス海峡にあるガーンジー島からのもので、かつてカネに困って?手放した本にジュリエットは自分の住所と名前を書いており、その古本が回り回って、ドーバー海峡にある島・ガーンジー島にたどり着いたのですな。戦時中、島はドイツの占領下にあり、島の人たちはエリザベスという女性を中心に読書会を開き、毎日の不安な気持ちを大いに慰めることになったというのですな。そこで島の男・ドーシーが、その経緯を「お礼」として書いてきたのですな
それをきっかけにジュリエットとドーシーは文通を重ね、ジュリエットは遂に島を訪ねます。この「読書会」の話を記事にしようと思ったからなのだけれども……
 
ガーンジー島というのはかなりフランス・ノルマンジー地方にかなり近い島なんですね。今回、初めて知りましたよ。物語はロンドンからガーンジー島へと進みます。所々で挿入される島の風景が美しく、緑の鮮やかさや海の青さが実に印象的です


が……残念ながら、話は全体的に???ですねぇ


ドーシーは牛の出産を契機に占領者であるドイツ軍の将校と親しくなります。エリザベスはドイツ軍の将校にべた惚れで子どもも出来るけれども、そのドイツの将校は、島からフランス本土に戻る船が撃沈され戦死。その後、エリザベスも逮捕されフランスの収容所へ(物語の終盤で死亡していたことが判明する)。ドーシーはエリザベスの娘を自分の子どもとして育てているが、それは(恐らく)ドーシーはエリザベスが好きだったから(たぶん)。しかしエリザベスはドイツ軍将校に夢中だった……。ドイツ軍の将校は既にいないし、エリザベスが戻ってきたら一緒になって……


まあ、こと「戦争」をテーマにした作品では、極めて「あるある」の話がてんこ盛りです


それ自体はいいのですが、それぞれの登場人物をきちんと描ききっていない(ように見える)ため、「なんでそうなるの?」という疑問が残ります。その最たるものがエンディングです。ジュリエットは、アメリカ軍将校のマークとの婚約を破棄し、最終的にドーシーと結ばれるのですが、これがお約束的展開には違いないのですが、「え?この二人、どこが良くて惹かれあったの?」って感じです


ドーシーの方は、最初からジュリエットにご執心な感じですが、これはこれで、男にはよくある態度なので、まあいいですが、肝心のジュリエットは、何故、マークではなく、ドーシーにしたのか???そこがわからなかった(笑)理解不足かもしれませんがね。でも寝てませんよ、ちゃんと観てましたぜ
 
まあ、そのほか、ステレオタイプ的な人物描写が多くて、この映画のPRでは「<人生を輝かせる至福の>ミステリー」などと書かれていますが、このコピー同様に??????でした。加えて、邦題の「ガーンジー島の読書会の秘密」は、これまた、酷いタイトルだと思いますねぇ


コピーでは「ジュリエットがひとつ謎を解くたびに、読書会のメンバーとの絆がまたひとつ結ばれていく。すべての謎が解けた時、観る者の心をあふれんばかりの幸せな気持ちで満たす……」とありますが、あたしゃ、むしろモヤモヤが募っただけでしたね~~


英仏制作の映画だからでしょうか?ジュリエットと婚約する駐英アメリカ軍将校のマークが、あまりにアメリカ人アメリカ人した振る舞いで、極めてマンガチックに描かれています。ジュリエットの親友でもあり、本の編集者でもあるシドニーと比較すると、むしろ悪意を感じるほどですね(笑)まあ、観ていて面白かった点ではありますが


ちなみに原題の「POTATO PEEL PIE」は、文字どおりイモの皮で作ったパイのこと。占領下で食糧不足の中の苦肉の一品というわけです。「不味い」そうですよ


【初出:2020年2月20日】
人の人生にはいろんなナゾがあります。その人の行動原理は、その人にしかわからないものだからです。それを他人は「秘密」と言ったりします。他人の「秘密」、知りたいですか?知ってどうする?世の中には「知らなくていいこと」も、確実に存在するんですよ、はい


徒然なるまんまみ~あでその日暮らし
ふぐりに向いて
ココロにうつりゆくロクでもないことを
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事実は東スポよりも奇なり
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