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映画「新解釈・三國志」
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新解釈・三國志 ☆☆☆/☆☆☆☆☆
「ゴールデンウイーク(GW)」という言葉が、実は映画業界のプロモーションから生まれた、というのは、このブログの読者のみなさんにとっては、今さらの説明はまったくいらないことでしょうね。映画が娯楽の王様だったころ、5月の連休ってのは……昭和の時代ですから、4月29日が天皇誕生日、5月3日が憲法記念日、5月5日がこどもの日、と祝日が珍しくまとまってあって、これに土日がうまく挟まったりすると、思わぬ連休が組み上がる……というわけだったのですな
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Spoiler Alert!
確か、昭和天皇が植物学者だったことや、来たる5月が新緑の季節で、この時期は自然に親しもう……などいうもっともらしい理由がつけられていましたが、まあ、天皇の代替わりはともかくとして、この4月29日が祝日でなくなってしまうと、それこそゴールデンウイークは成立しませんので、何はともあれ、この日が休みであることが続いて良かったですね
2005年(平成17年)に祝日法が改正され、2007年から4月29日は「昭和の日」と改められ、引き続き祝日になりました。趣旨としては「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす」だそうですが、まあ、復古主義者たちが、「昭和」という名前をその後も国民のココロに刻み続けたかったのでしょう
じゃあ、もう、取って付けたような「みどりの日」なんていらないよねーーー
だれもがそう思っていたところ、5月3日の憲法記念日と5月5日のこどもの日の間に、みどりの日はさささっと移動し、5月の3,4,5が3連休になる、という、まあ、国民にとってはうれしい3連休の成立となったわけですね
4日がみどりの日になる以前は……例えば4月29日が土曜日だったりすると、かつては週休2日なんぞじゃなかったもんだから
4月29日(土曜日)祝日=休み
4月30日(日曜日)=休み
5月1日(月曜日)=出番
5月2日(火曜日)=出番
5月3日(水曜日)憲法記念日=休み
5月4日(木曜日)=出番
5月5日(金曜日)こどもの日=休み
5月6日(土曜日)=出番
5月7日(日曜日)=休み
などと出たり休んだりが交互に来るので、休んだ気にもなれず、逆に体調を崩す、という不思議な現象に襲われてましたね~。今みたいに週休2日も当たり前に加わって、「今年のGWはうまくやれば10連休だ~~~」なんて、タイムスリップして昭和の時代の人たちに言ったとしても、たぶん信じてもらえませんよ、ホント。いい時代になったもんです。日本人、働きすぎなんだ、って。どんだけ「生産性」の低い国民性なのよ、マッタク
って、映画の話はどうした??
そうそう、映画の話でしたね
まあ、そういうわけで、映画が庶民にとって最大の娯楽であった時代が、確かにあったのですよ。各映画会社は、それぞれに知恵を絞って、このGWとお正月には、寄り多くの集客に繫げるべく、スターをかき集め、ストーリーを練って、音楽を磨いて、新作を作って、この二つの時期に合わせて公開してきた、つーわけです
スクリーンの中に、華のある時代でした
で、そろそろ今回の作品に話を戻しますが……違うな、作品の話は一言もしてないから……では、改めて作品の話をしますが……
まあ、要するにこの「新解釈・三國志」というのは、そういう時代のような、そんな時代ががった映画である、と言いたいのですわ
話としては、だれもがみんな……は知らないな(笑)「三国志」ってったって、ゲームぐらいでしか知らないでしょ、最近の人は。50歳以上とかなら、まあ、男に限れば、そこそこの人は知ってるかもしれませんね、たぶん。マンガの題材とかにも散々なってるし
と、いうわけで、古代中国が、魏・呉・蜀の三つの国を形成し、覇権を争っていた頃の物語です。歴史年代的に言うと、中国の後漢末期~三国時代にかけてのことで、西暦だと180年ごろから280年ごろの話だそうです。日本だと倭とか邪馬台国のころになりますね
魏・呉・蜀、それぞれに、後世から「英雄」と呼ばれる人物が登場し、それぞれの信を持って国を興し、中華の覇権を争います。そこに、数々の武将が絡み合い、壮大な歴史ドラマを描くわけですわ。どこまでホントの話かはわかりませんが、とりあえず、その後の世界に数々の小説や戯曲、映画、ドラマのネタを提供し続けています
この作品は、とある歴史研究者・蘇我宗光(西田敏行)が、三国志の世界をたな独自解釈で再構成する再現ドラマ付き教養講座のような構成になってます。で、再現ドラマ部分では劉備玄徳が大泉洋、曹操が小栗旬、諸葛亮孔明がムロツヨシ、孔明の黄夫人に橋本環奈……まあ、これでもか、これでも、といった一癖も二癖もあるふざけた面々が、歴史考証なにものするぞとばかりにドタバタ劇を展開します
三国志に関するものを多少でも知ってれば、それなりに笑えますが、全く知らないとしたら昔あった正月のバラエティー番組「新春スターかくし芸大会」の中に出てきた「中国語劇」のようなノリ(←平成以降の人には、これはわからんて……)ではなかろうかと
スターがいっぱい集まって、馬鹿馬鹿しいことを真剣にやる、この作品はそんなノリで終始しており、それが、アタクシにとっては、まさに、映画が娯楽の王様だった時代をなにやらと思い起こさせた、ってわけです。その何とも「非生産的」な様こそは、まさに、映画ならではだったのではないでしょうか?
それだけに、この作品は映画館のでっかいスクリーンで見て欲しいですね。最悪、家で見るなら、60型級のでっかいテレビかホームシアターで。是非
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