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映画「アイ・アム・まきもと」
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アイ・アム・まきもと=☆☆/☆☆☆☆☆
空気が読めない、人の話を聞かない、なかなか心を開かない、頑固でもあり、はっきりいって周囲からは迷惑な存在……そんな「牧本(まきもと)」という男が巻き起こす物語です。
「牧本」は、田舎の市役所で「おみおくり係」というのを担当しています
独居とか孤独死とか、所謂、「行旅死亡人(こうりょしぼうにん)」(旅行途中=住所不定や放浪も含む。定住でない状態=で死んだ、引取者のない者のことであり、住所、居所又は氏名が分からず、かつ引取者がいない死亡人のこと。 死亡地の市区町村が遺体の埋火葬等を行わなければならない←これ、結構な負担です)の担当です
市がこの「おみおくり係」を廃止することになり、牧本は最後のケースとして、「蕪木」という男を担当することになり、この「蕪木」が何モノであったかを解き明かしながら、故人の思いに触れ……とまあ、阿部サダヲという稀有なキャラクターが巻き起こす、ベタな騒動が、琴線をふるわしちゃる~って映画です
映画でも、引き取り手のない骨壺が倉庫に収められていますが……これ、自治体にとっても、結構な負担なんです。はい。倉庫だって、それなりに風雨をしのがなきゃならないし。骨壺を「その辺に転がしておけ!」ってワケにもいきませんからねぇ、ホント
自治体の負担……といえば、例えば「自殺の名所」などと不名誉な呼ばれ方をする富士山のふもと「青木ケ原樹海」を抱える山梨県富士河口湖町や鳴沢村では、樹海内で自殺した身元不明人の最終的な引き取り先になってるんですわ
日本では火葬が義務ではありませんが、土葬は許可手続きが面倒で、ほぼほぼ火葬されてます。火葬ったって、タダで燃やしてくれるわけじゃぁないんですよ~
もちろん、火葬場が公営で、「市民=無料」なんてケースもありますが、行旅死亡人では、住民税も払ってないのに、火葬場を使う……あまりセコイことを言うな、とお叱りをうけそうですが、まあ、人は生きてる時だけでなく、死んだ後もカネがかかるモンなんですよ。「三途の川」の渡し賃ってのもあるようですからね。六文らしいですが。電子マネー、使えますかね?
……
……
ま、そんな話はともかく
庄内地方全域でロケをしており、中でも、牧本が務める市役所のシーンは、実際に、酒田市役所を日曜日に使って撮影されました。庄内地方のアレやコレやが、アレやコレとして登場します。知ってる人には、そこいらも面白いかもしれませんね
庄内地方でのロケといえば、日本アカデミー賞にも輝いた「おくりびと」(2008年)が有名ですが……アレも、「人が死ぬ話」で、「死んだ人と残された人」「死んだ人といまを生きてる人」の話でしたな~
「庄内」と「人の死」はストーリーとして相性がいいのかな?w
全体としては、タダでさえ一風変わったキャラを売りにする阿部サダヲが主役なんですが、まあ、ちょっと肩に力が入りすぎと申しましょうか……同じ「阿部」でも、この役を「阿部寛」がやったら、どうだったろうな~などと思いましたな。なのでレビューとしては、☆二つでした
徒然なるまんまみ~あでその日暮らし
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