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映画「YESTERDAY」

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Spoiler Alert!
YESTERDAY=☆☆☆/☆☆☆☆☆

世界中を巻き込む停電があって、その合間にバスにはねられて、目を覚ましたら、だれもビートルズを知らない世界になっていた……という、「if」ものです。全編を通じてビートルズの曲がガンガンかかりますので、ビートルズファンにはたまらん映画ではないでしょうか?実際、アタクシも映画館で、お馴染みのサウンドにあわせて、体を揺らしたり、足でリズムを取ったりしてました。

2019年10月の公開作品ですが、山形・庄内では2020年のお正月映画となりました。まあ、「お正月映画!」と言ってもいいぐらい、座りのいい内容でした
 
ビートルズ……1960年代に活躍したイギリスのバンドでレコードデビューは1962年。1970年には解散してます。もう50年以上も前のことですね。そういうわけで、ほとんどの楽曲は著作権が切れてます。映画でも何でも使い放題ってことですね~。なんせ今の世代にとっては、ベートーベンやモーツァルト同様に「教科書」マターですもんねぇ……
 
さて、映画ですが……まあ、面白いんですが、ことマンガを読む習慣のある日本人にとっては、この映画の目新しさは「まったくない」と言っていいのではないでしょうか?
と、いうのも、「If ビートルズが……」というアイデア……つまり、この映画のミソの部分ですが、これに関しては、すでに「手垢のついた」話だからです
 
2010年に「モーニング」誌上で、「僕はビートルズ」というかわぐちかいじのマンガの連載がありました。http://morningmanga.com/lineup/95
 
現代でビートルズのコピーバンドをやってる若者が、ビートルズのデビュー前の世界にタイムスリップしてしまい、盗作するカタチでメジャーデビューするんですな。そして世界を席巻する。すると、本物のビートルズが、本来は自分たちの曲であるはずの曲の素晴らしさにショックを受け、創作意欲を失い、活動を停止してしまう……
 
「また、かわぐちかいじのタイムスリップものかよ~~。かわぐちかいじって、最近はタイムスリップものしか描けないないのかぁ……?」と連載当時は思っていましたが、どうやら、原作者は別に居たようですね

まあ、そんな意味では、話のコアの部分としては「ふ~~~ん」だったんです、アタクシ的には
 
で、話をこの映画に戻しますが……
 
主人公のジャックは売れないシンガーソングライターで、どうやら元中学校?高校?の先生だったようですね。物語のスタート時はスーパーの店員でした。マネジャーは幼なじみで親友のエリーがやってます。
 
この映画で残念だったのは、このジャックとエリーの関係が、いま一つはっきりしない(笑)エリーの方は子どもの頃からジャックが大好きで、その「才能」を信じ、高校?中学?の先生をしながらマネジャーを務めるのですが、ジャックの気持ちが????
 
「子どものころからずっと近くに居て、きょうだいみたいに思ってたキミと、恋に堕ちるなんて……」
 
ドラマ的にはよくあるパターンなんですが、ジャックの葛藤がほとんど描かれない……というか、中途半端な感じしましたねぇ。思考停止してんじゃねーよ、ジャック!ってな感じで、ラストも無理やり、それこそスクラムトライで、ご都合主義的にハッピーエンドに持ち込んだような(笑)
 
もう一つ残念だったのは、ジャックと同じく「ビートルズの記憶を持つ人」が2人出てきて、最初は「パクりの不正を暴く」役回りなのかと思ったら、実は「ビートルズの曲を世の中に出してくれてありがとう」と、むしろジャックを「ビートルズの記憶がある仲間」として祝福しちゃう……まあ、このシーンはそのまんまで描かれていますが……これも相当なご都合主義だなぁ、と思いましたねぇ
もちろん、「時代を超え、パクりを暴く」などという勧善懲悪にはしなくていいんですけど、マンガの「僕はビートルズ」で描かれたような、「オリジナルとは何か?」みたいな考証というか、そんな部分が欲しかったですなぁ
 
だって、誰もビートルズを知らないわけでしょ?
ジャックが「これはビートルズの曲で、僕のオリジナルじゃないんだーー」と叫んだところで、「じゃあ、そのビートルズって、ナニで、どうしてキミは知ってるんだ?」となりますわなぁ。「僕はビートルズ」のように、タイムスリップというような要件があるならまだしも、「ビートルズの曲は僕のアタマの中にだけある」と言われて、また、その全曲を無料配信したからって、「はい、そうですか」って納得出来るかな?
 
「こいつ、イカれてる」
 
普通はそう考えないかなぁ……。そこいらの整合性……、まあ、そんなものをドラマに求めちゃいけないんですけど、とはいうものの、リアリティーがなさすぎると、感情移入も出来ないわけすよ。そこいらが、この作品が、「悪くはないけどね」という評価になったところではないか、と思う次第ですな

このほかには……
舞台は基本的にイギリスなんですけど、ジャックはインド系なのかな?主人公のこの辺りの設定には、時代の要請を感じますね。まあ、同時にこれは、クィーンを描いた「ボヘミアンラプソディー」のようでもあり、実はそこいらも狙ってたのかな?などと邪推もしたくなる、ってなモンです。しかしながら、ジャックの家族の描き方は、なんか????で、特に父親は、これは笑いを取るために入れてるのか、それとも他の意図があるか、いま一つ趣旨が理解しかねる感じでしたね
 
映画全般としては、エド・シーラン(本人役)のロシアでのコンサートで前座を務めたり、廃ホテルの屋上でコンサートをやったりと、それこそ、ビートルマニアにとっては、ビートルズのハンブルク時代や解散直前の屋上ライブを彷彿させるシーンなどと、まぁ、なかなか意味深ではありますが……

なんにせよ、改めてビートルズの凄さがわかるという、そんな映画ではあります

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